2016年06月12日

トリックスター

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ラスボスの風格(笑)

黒幕みたいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。中学生なんだぜ。それで。



以下、PSP版「流行り神」のネタバレがあります



今までの考察(と言う名の駄文)であえて意図的に避けていましたが、「さとるくん」のシナリオにおけるトリックスター(?)の田井野賢二郎について少し語ってみたいと思います
実際の話として、彼がこのストーリーにどういった形で関わっているのかが「さとるくん」のシナリオを読み解く上で大きな分岐点になると考えています
たまたま事件に巻き込まれた傍観者なのか、あるいはシナリオを影から動かすトリックスターなのか

田井野に関しては劇中の描写からも霧崎水明たち三人とはそこまで仲が良いという関係ではないように見える
少なくとも気心が知れた仲というわけではない
むしろ椎名淳子の親友の原田美久とは犬猿の仲ほどではないが、仲良く一緒に遊ぶような間柄とは思えない
このシナリオの主人公である霧崎水明も当時はオカルト否定派で、口を開けばオカルトが出てくるオカルト狂信者の田井野とは話が合うとも思えない
おそらくはあのメンバーで「さとるくん」を試すことになった経緯は、田井野が「さとるくん」の話を持ってきて自信満々に教室で話してくるのにキレた原田美久がそれを否定して、だったらどっちが正しいか賭けようという流れになり、原田美久の親友の椎名淳子があの二人だけだとトラブルになると考えて幼馴染の霧崎水明に助け舟を求めたという感じだと思われる
劇中で描写されている霧崎水明の性格から考えて、わざわざどうでもいいようなことに自分から首を突っ込むような感じではないし、もし霧崎水明が言いだしっぺなら幼馴染という繋がりのある椎名淳子はともかく幼馴染の親友という間柄の原田美久が同行するとは考えにくいですし

でもって、この田井野賢二郎ですが、疑えばどこまでも疑えるけれども、その疑念を裏付ける確証が一つもないという本当にいろいろと絶妙な立ち位置にいるのですよ
例えば上記の「さとるくん」遊びの呼びかけですが、単なるオカルトおたくと気の強い不良っぽい少女の言い合いが発端と考えられるわけですが、もし田井野賢二郎が何らかの意図があって霧崎水明(というか水明の父親の霧崎道明)を巻き込むために仕掛けた猿芝居だったとしたら?
もちろん、そんな描写は劇中には一切存在しませんし、劇中でもただ事件に巻き込まれただけの一般人でしかありません
しかし、その言動はどこをどう取ってみても怪しさ満載で、それでいて事件には関わっていないという奇妙な立ち位置を貫いているわけです



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忌み名と思われる記載のあるクラス名簿を発見したのも田井野賢二郎



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その前日にはわざわざクラス名簿を持参して印象付けているわけです

どちらも偶然の産物と言ってしまえばそれまでですが、ついつい深読みをしたくなるような偶然でであると言えます



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霧崎水明の父親の霧崎道明だけでなく、田井野賢二郎も遺体の”消失”を”失踪”と発言

ここだけ切り取ってみるといかにも怪しいですが、原田美久の母親から話を聞いたときに田井野賢二郎も霧崎道明の話を聞いており、そのときの道明の話の影響を受けたと考えることも出来ます
実際の話の内容は霧崎水明が聞き流していて覚えていないのでどのような話だったのかはわかりませんが、少なくとも後に「キョンシー」という発言があったことから田井野の中では原田美久の遺体が動いたと結論付けていたと思われるので”消失”ではなく”失踪”という表現を使ったと言われればそれまでとも言えます



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そして最大の怪しい点がここ

急に何の脈絡もなく公園に隣接している雑木林に行こうと言い出して、その向かった先で都合よく原田美久の遺体を発見するというミラクルプレイ
例え雑木林の散策が気まぐれだったとしても、迷わずに原田美久の遺体のある場所に直進していくという偶然がありえるのかという疑問
しかもこれって原田美久の遺体の”消失”を聞かされた数時間後のことだったりします
あと、霧崎水明が何者かの”視線”を感じて茂みに向かおうとしたのを止める形でこの発言をしたわけです
遺体の発見も言い出したタイミングも偶然と言われればそれまでで、疑念は残るけれどもそれ以上は何もないという絶妙な立ち位置にあると言えます

ストーリーに深く関与しつつも事件そのものには関わっていない絶妙な立ち位置にいるのが田井野賢二郎と言えます

他にも、公園で霧崎水明が話したことでいたずら電話の犯人だと犯人の長崎響子に身元がバレている三人の中で唯一、長崎響子に襲撃されていない点も疑問と言えなくもないです
特に二つあるバッドエンドでは霧崎水明と椎名淳子は別々に襲撃を受けており(一つは井戸落ちでしたが)、このことから長崎響子が水明たち四人をいたずら電話の犯人だと認識していたことの証左であると言えます
ですが、いずれの結末でも田井野賢二郎だけは無傷で終わっています
ただこれも、長崎響子が田井野賢二郎を襲撃するのは最後にしていて、その前に椎名淳子を襲った時点で逮捕されてしまったと言われればそれまでなのですが



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田井野賢二郎に関する疑問点の一つ

オカルトに関しては偏執的な狂信者ぶりを発揮する田井野が、自身で「さとるくん」に電話をかけた?
作中では電話をかけたかどうかについては一切語られていませんが、どちらにせよこれはおかしな話です
もしかけていなかった場合、なぜ電話をしなかったのかが疑問となります
原田美久に否定されて自分でかけるという発言を霧崎水明が「勝負は一度きりだ」とバッサリ斬って捨てた描写があるくらいなので、オカルトに関しては負けず嫌いな彼が皆が帰った後に「さとるくん」に電話をしていない方がおかしいと言えるでしょう
そして電話をかけたとするならば、霧崎水明のときのように留守電に繋がるか椎名淳子の言うように「さとるくん」に繋がるかのどちらかです
どちらに転ぶにしても自身で試したのであれば結果は身をもって体験できるはずです
ですが、劇中では彼の口からは自身が試したという発言やその結果については語られるどころか、そういった素振りすら見せませんでした

田井野の性格からして試していないとは考えにくいですし、試したら結果がどうあれそれについて言及するでしょう
そもそも、彼の性格からして「さとるくん」の噂を仕入れて皆に吹聴する前に自分で試そうとしないだろうか?
それ以前に、長崎響子が学級通信で「さとるくん」に関しての注意を促していたという描写があるのに、何故「さとるくん」を最新の噂として持ってきたのかという疑問もあります
なのに、そのことについては一切触れないということを考慮すると、とある仮説に辿り着きます
それは田井野が「さとるくん」の支配下にあったのではないだろうか
どの時点で「さとるくん」に電話をかけたのかは不明として、そのときに「さとるくん」に自身の忌み名を知られてしまって行動を支配されていたとしたら?
そして霧崎水明の父親の霧崎道明が「さとるくん」の捜査をしていることを知り、その捜査をかく乱するために「さとるくん」が田井野賢二郎を操っていたとしたら?

あるいは逆に、第二話の「鬼」のシナリオのときの道明寺秋彦のように霧崎道明の捜査を手助けするために「組織」が送り込んだ協力者であったとしたら?
もしくは、「名前の無い駅」のときのように「組織」の警察史編纂室と対立する勢力が「さとるくん」を使って何かの実験を行っていて、編纂室の動きを察知した反対勢力が霧崎道明の捜査をかく乱・妨害するために集めた忌み名を使って霧崎水明の同級生の田井野を操っていたとすれば?

まぁ、いずれも何の根拠もない思い付きですが、どう考えても怪しい田井野賢二郎の立ち位置が変わるだけで考察の前提が大きく変わってくるわけです
田井野賢二郎こそがこのシナリオのトリックスターだと言えるでしょう
いやほんと、これはどうしましょうかね
まぁ、考えすぎもよくないですし、考察はここまでにして次のシナリオを進めるとしましょうか



とまぁ、ストレート紅茶も美味しい本日はこんな感じです
タグ:PS Vita TV
posted by hirose at 19:50| Comment(0) | ゲームとか
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