2016年06月13日

まとめてみた

「さとるくん」シナリオを振り返ってみての総括とか感想とか



以下、PSP版「流行り神」のネタバレがあります



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すっごいホラー

今のところ一番どっきりしたシーンかも


「さとるくん」のシナリオを考える上で、このシーンのセリフをどう解釈するかが重要だと思います
「次は殺されない」ということですが、作中で死亡したのは撲殺事件の被害者の原田美久のみ
そうなると死亡した原田美久が意識不明でこん睡状態だった親友の椎名淳子の肉体を(この場合は「さとるくん」の力を使って)乗っ取ったという解釈になります
ですが、そうだとすると動機が不明というか、原田美久には生き返るというメリットがありますが力を貸した「さとるくん」のメリットは?
この説を採用した場合はオチも意味不明で話自体もすっきりしませんし(元から意味不明ですっきりする話ではないですが)

もう一つの可能性としては、長崎響子に襲撃されて意識不明で脳死状態になった椎名淳子が「さとるくん」の力で蘇って意識を取り戻したということが考えられます
ですが、これもどうもしっくりこないのですよね
この説だと少なくとも椎名淳子本人が「自分は一度死んだ」と認識していなければいけないわけですが、この発言は意識不明から目覚めた直後のものですし

というわけで、三つ目の可能性ですが、これはそのものずばりで殺されたのは「さとるくん」本人(?)というものです
椎名淳子が「さとるくん」に電話をしたことで忌み名を知られて憑依状態にあったと仮定して、その状態で霧崎道明たち警察史編纂室が公園に隣接する廃屋に潜んでいた「さとるくん」の本体を排除した
しかし、「さとるくん」の分身が椎名淳子の中に残っていて警察史編纂室の目を欺いて生き延びたという説です
うん、これならしっくりくるかな

「さとるくん」のシナリオを考察する上で、オカルトの有無は関係なく警察史編纂室が関わっている以上はそういった「不可解な存在」が存在しており、霧崎道明たちが捜査していた「さとるくん」という存在は実在しているということになります
ただし、だからといって田井野賢二郎が言いだしっぺの霧崎水明たちが試した「さとるくん」と、霧崎水明の父親の霧崎道明たち警察史編纂室が追いかけていた「さとるくん」は必ずしもイコールとは言えない点に注意が必要です



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最初は「さとるくん」に電話したときの記憶がないと言っていた椎名淳子



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後に「さとるくん」と確かに話したと発言

この件については、オカルト抜きで考えればラストの不気味な発言と合わせて「親友の原田美久の死に責任を感じて最初は自己防衛本能で記憶を失っていたが、その後に「さとるくん」に責任を被せることで罪の意識から逃れようと記憶を改ざんした」といった感じで説明できると思います
オカルト有りなら「最初はただ忌み名を抜かれただけだったが、本物の「さとるくん」が警察史編纂室の追及を逃れるために椎名淳子を忌み名で支配して利用した」といったところでしょうか



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オカルト抜きにした場合、ここがネックになります

霧崎水明が自宅にいたところを田井野賢二郎に呼び出されて公園に集まったという状況ですが、田井野賢二郎と椎名淳子が行動を共にしていた場合を除いて霧崎水明と同様に椎名淳子も自宅にいたことになります(物語り当時はまだ携帯電話とかはなかった)
ですが、霧崎水明が公園に到着した時点では先に到着した椎名淳子が電話ボックスから電話をかけている状態で、田井野賢二郎はその後から送れて到着しています
なので、田井野賢二郎と椎名淳子が行動を共にしていた可能性は限りなく低いでしょう
そうなるとこの椎名淳子の電話の話がおかしなことになります
自宅から公園に行って、そこから自宅へ「帰りが遅くなる」という内容の電話をするということについて、もし集まったメンバーで話をしてその結果帰宅が遅くなるのであればそういった電話をすることもあるでしょう
ですが、椎名淳子は自宅から公園に出向いてメンバーが来る前にこの電話をしているわけです
まぁ、それでも几帳面な性格で家を出るときに親に言い忘れていたので電話したという可能性が微粒子レベルで残っているわけですが、だとしたらわざわざ尺を裂いてまでそんなどうでもいいような描写を入れる必要があるの? ということになります
つまりは、この電話の言い訳のシーンはそれなりに意味のあるシーンだったということです
上記を踏まえて、この時点で椎名淳子が公園の電話ボックスから電話をして、そのことを霧崎水明に秘密にする相手は誰? と考えると、この時点ですでに椎名淳子は本物の「さとるくん」の支配下に置かれていたと推察できるわけです



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二人が出かけた理由について

初日の四人揃っての実験の後で、何故か「さとるくん」を否定していた椎名淳子と原田美久がそれぞれ別々に公園の電話ボックスに向かっているわけですが、その理由について考察してみました
前提として、椎名淳子が原田美久の死に責任を感じていると仮定しての話になります
昼間の実験で原田美久が「さとるくん」に何も言われなかったことに対して悔し紛れに田井野賢二郎が言った「原田美久には未来がないから」という発言を気にした椎名淳子が親友の原田美久の身を案じて「さとるくん」の真偽を確かめようと単身で公園の電話ボックスに向かったのではないだろうか
そして椎名淳子からそのことを電話で聞いた原田美久が椎名淳子の身を案じて公園の電話ボックスに向かったとしたら
椎名淳子が公園の電話ボックスから原田美久に「今から「さとるくん」に電話して確認してみるね」というやり取りがあって、その連絡を受けた原田美久が慌てて公園に向かったとしたら
その後は前にも書いた通りに椎名淳子が電話をかけたことでいたずら電話の犯人が公園にいると知った長崎響子と原田美久が鉢合わせして悲劇が起こってしまったとしたら
そして原田美久の遺体を発見した椎名淳子が犯人は不明ながらも、自分が「さとるくん」に電話をしようとしたことが原因で親友を死なせてしまったと思い込み、その責任で自我が崩壊するのを防ぐために一時的にその前後の記憶を失っていたとしたら
とまぁこんな感じで一応の説明が出来ると思います



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二人の関係について補足とか

長崎響子と桜井富士雄の二人の関係ですが、いろいろと試してみた結果、不倫と共犯者が〇で暴力が×ではなくて△でした
これって長崎響子がDVを受けているってこと?
それにしては公園で誤って殴ってしまったシーンでの桜井富士雄のうろたえ振りがなんとなく妙だし
どうなのでしょうね

それはさておき、推理ロジックでの長崎響子と「さとるくん」との関係ですが、留守番電話が〇で電話ボックスと未来の情報が△、そして共犯者が×でした
また「さとるくん」と忌み名の関係は電話ボックスと連絡網が〇で、未来の情報が△で留守番電話が×でした
メタ情報ではありますが、このことから長崎響子と「さとるくん」とは直接の関係はないということになります
では、長崎響子がノイローゼで殺人を犯すくらいまで追い詰められて「さとるくんを見ないで」と留守番電話に吹き込んでいた理由は?
あくまで推測でしかないですが、長崎響子は過去に「さとる」」という名前の人間を自身の責任で死なせているのではないか?
もしくは、流産や死産、もしくは堕胎した子どもに名付ける予定だった名前が「さとる」だったのか
桜井富士雄との不倫も桜井富士雄にそのことを知られて脅迫されていたと仮定すれば
あるいは、いたずら電話自体が桜井富士雄が仕掛けたもので、同僚として相談に乗るように見せかけているうちに深い仲になったとか
電話ボックスに貼られていた長崎響子の電話番号のことを考えると誰かがいたずらか何かで貼ったというのは間違いないですが、その理由まで考えるとこういった考えが出てきてしまったというわけです
電話番号のメモに「さとるくんを見ないで」と書いたのは、まぁいろいろと考えてみましたが、あれってたぶんあの番号にかけて留守電の内容を聞いた人が書いたのではないかと思います
まぁ、素っ頓狂な仮説ではありますが、作中の情報が少なすぎてこういったところはプレイヤーが想像するしかないわけです



今までのことと以上を加味して全体像を推測してみると以下のような感じになりました
いたずら電話でノイローゼになっていた長崎響子がたまたま公園に居合わせた原田美久をいたずら電話の犯人だと思い込んで撲殺
それと平行して椎名淳子が本物の「さとるくん」を呼び出してしまう
本物の「さとるくん」(もしくは「さとるくん」を操っている黒幕)は忌み名を蒐集した椎名淳子を操り警察史編纂室の捜査をかく乱しようと画策し、「さとるくん」の本体が長崎響子であるかのように見せかけるために証拠(連絡網)を残したり、原田美久の遺体を”失踪”させたりした
そして椎名淳子の中に分身を残して本体は警察史編纂室の手で排除されたように見せかけて「さとるくん」は生き延びた

まだまだ消化不良ではありますが、とりあえず自身が納得できる結論はこんな感じです
他のシナリオと違ってここまで「さとるくん」に入れ込んだのは、「さとるくん」が正体不明だからでしょうね
他のシナリオだと希代の殺人狂の生まれ変わりの別人格だの、コックリさんを使って自己暗示で自殺させただの、人間が恨みや妬み嫉みで鬼に変生するだの、旧日本軍の極秘プロジェクトで霊魂を人為的に操る実験だのとオカルトを扱っていますが、いずれも納得できるかどうかはともかく一応は現象の説明がつけられているわけです
ですが、「さとるくん」に関しては「電話で接触」「忌み名を蒐集」程度で何故忌み名を集めているのか? そもそもその存在理由は? とその全てが謎に包まれています
正体不明のモノほど恐ろしいとはよく言ったものです
なので、本能的に正体が知りたくなったのでしょうね
正体を知ることで不安感を紛らわそうという意識が働いたといったところでしょうか
結局、色々と考察してみても「さとるくん」についてはわからないままでしたが
でもまぁ、自分なりに事件の経緯が納得できる形で形にできたのでよしとしておきましょう
もう二度とこんなことはしないと思いますが(苦笑)



とまぁ、とりあえず本日はこんな感じです
タグ:PS Vita TV
posted by hirose at 23:46| Comment(0) | ゲームとか
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