2010年01月04日

ひろせの宝物・闇の血族

本日はひろせがパソコンゲームミュージックで最高と絶賛するゲームの紹介です
聴いて絶対に損はさせませんぜ!



1980年代後半の話
パソコン用のアドベンチャーゲームがコマンド総当たり式が当たり前だった時代に、パソコンならではの可能性を模索しながら新しいアドベンチャーゲームの形を生み出そうとしたメーカーがありました
その会社の名前をシステムサコムといいます

紙媒体の小説や当時流行していたゲームブックにはできないパソコンならではの表現方法の模索。。。テキストと音楽とビジュアルの融合
そうして生み出されたのがノベルウェアと名付けられたソフトウェアのシリーズでした
そしてそれは現在、一つのジャンルを築いているサウンドノベルビジュアルノベルといったゲーム形式の始祖とも言えるものでもありました

小説家の夏樹静子氏の小説を原作とした第1作の「DOME」に始まり、海外小説の翻訳家としても有名な鎌田三平氏を原作者にし、プレイヤーの選択次第で結末の変わるマルチストーリー・マルチエンディングを採用した第2弾の「シャティ」など、シリーズを重ねるごとに新たな試みを採用しながらパソコンならではのテキストと音楽とビジュアルの融合を模索していったノベルウェアシリーズの一つの結論にして最終作となったのが本日ご紹介させていただくノベルウェアシリーズ第6弾「闇の血族」です


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X68000用サウンドノベル「闇の血族」

1990年と1991年に前編と後編に分けて発売されました


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定価はそれぞれ8800円でした

当時はパソコンゲームは6800〜7800円くらいが相場で、この8800円というのは当時としてはかなり高額でした


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前編のパッケージ裏

当時はパソコンゲームといえばアニメ絵が主流の時代でしたが、シナリオに合わせてビジュアル面も当時の流行に乗らずにシリアスなタッチで描かれていました


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後編のパッケージ裏

前編クリア後の予告動画を見てどれだけ後編の発売を待ち望んだことか。。。


当時、アドベンチャーゲームといえばコマンドを総当たりしてフラグを立ててからまたコマンドを総当りして。。。という形式が主流でした
そんな時代に、あえてテキスト(シナリオ)をメインにパソコンならではの要素として各場面に応じたBGMを添えて、要所要所でアニメーション処理を行うという手法で一つの世界観を構築したのがシステムサコムのノベルウェア第6弾であり最終作ともなったのがこの「闇の血族」でした
パソコンといえばNECのPC9801シリーズが国民機として個人でも企業でも持て囃されていた時代にX68000用のみ発売(後にFM-Towns用も発売)だったために知名度は低いですが、今の目で見ても非常によく出来たソフトだと思います


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FM-Towns版は1991年に前後編同時収録でスペシャル版としてCD-ROMにて発売されました(定価は12800円!)


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FM-Towns版のパッケージ裏

CD-ROMの特性を生かしてBGMは全てCD-DAで収録されています


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FM-Towns版のパッケージ裏を拡大

ストーリーの最初はこのようなコバルト文庫調の文体で始まりますが。。。

乙女ちっくなコバルト文庫風の文体から、やがて物語りはサスペンスドラマ調にその装いを変えていき。。。

後編ではプレイヤーの予想をはるかに超えた展開に!



そんな本作を支えた要素の一つがマサ斉藤こと故・斎藤学氏作曲によるストーリーを彩った美麗なゲームミュージックです
前置きが長くなりましたが、マサ斉藤氏による不朽の名曲をお聞きくださいませ


X68000版・闇の血族(前編)OP曲

パソコンゲームといえばアニメ絵の時代に、あえて売れ筋を外して作品のイメージ作りに拘った演出とそれに完全なまでにマッチしたマサ斉藤氏の作曲された音楽
個人的にパソコンゲーム音楽最高の名曲です


そして「闇の血族」で忘れてはいけないのがこの曲。。。


X68000版・闇の血族(後編)ED曲&予告編

物語の前編の終わりを彩るED曲と、そのすぐ後に続く予告編
OP曲と同等以上に物語に彩を添えてくれる名曲たちです
そしてその名曲に劣らない予告編のビジュアルの数々
いろいろな意味で「見せすぎ」です(苦笑)
信じられるかい、こんなにすごい予告編を見せられて後編は一年近くおあずけを喰らってたんだぜ?


そして待望の後編が発売されて。。。


X68000版・闇の血族(後編)OP曲

前編をクリアした後でこの後編のOP曲
マジで泣かされました



そしてネタバレ上等! な後編ED曲


前後編で8800円×2と金額的にはかなり高額ですが、その価値は十分に。。。いいえ、わたしにとってはそれ以上の価値のあるソフトです
今でもひろせの宝物の1つです



この当時は国産のパソコンといえばFM音源が主流で、本格的にパソコンでMIDIをやろうと思えば当時の価格で数十万円〜100万円以上したMacを買わなければいけなかった時代からようやく国産パソコン用にローランド社からMIDIボードが発売された時期でした
パソコンにMIDI機器を接続するための接続ボードで2〜3万円
そしてパソコン用のMIDI機器で6〜10万円以上していた頃でもあります

言い方は悪いですが、たかだかパソコンゲームのゲーム音楽に十万円近くも出せるか! という時代で、MIDIはまだまだ本格的な音楽活動をしている人専用な時代で、当然ながらMIDI対応のゲームなどあろうはずもなかった時代でもありました
そんな時代にシステムサコムはあえて自社でローランド社のMIDIボード互換の安価なMIDIボードを発売し、国産ゲーム初のMIDI対応ゲームを発売してMIDIの普及に尽力したメーカーでもあります

そのシステムサコムのMIDI普及の原動力となったのがマサ斉藤こと故・斎藤学氏による楽曲の数々でした
当時のひろせはこの「闇の血族」のためだけに10万円近く出してMIDI機器を買おうかと真剣にに悩んでいたくらいですので
結果的に貧乏だったので購入には至りませんでしたが、話を聞く限りではこのゲームがきっかけでMIDIを購入した人が少なからずいたという話です
また、日本初のMIDI対応ゲームとなった同社のノベルウェアシリーズ第5弾「38万キロの虚空」のサントラCDは現在、数万円クラスのプレミアがついているとのこと
動画のコメントを含めてこれらの事実から故・斎藤学氏の生み出した楽曲がどれだけ多くの人に愛されているかがお判りいただけると思います









最後に、若くして亡くなられた夭折の天才、斎藤学氏のご冥福をお祈りいたします
タグ:X68k FM Towns
posted by ひろせ at 23:53| Comment(4) | TrackBack(0) | ゲームとか
この記事へのコメント
はじめまして。
Google検索していて辿り着きました。

僕も「闇の血族」にハマりまくったので、
記事の内容に嬉しくなって、このタイミングで(笑)コメントさせていただきます。

今でもサントラをiPhoneに入れて、時々聴いています。
ずーっと欲しかったのですが、数年前にようやくProjectEGGというところでダウンロード購入できました。

ほんとに名曲だらけだと思います。
ストーリーにも痺れました。
まさに「このために」CM64買いましたし(笑)

そして昨年、憧れ続けて20ウン年、
ついにテオティワカンへ行くことが出来ました。
もちろんiPhoneで闇の血族を聴きながら。
ホント、帰りたくなかったです(笑)

このブログを書かれたのは数年前のようですが、それでも当時からすると20年以上経っているわけで。
誰もが知っている作品ではありませんが、
僕も中でも最高の作品で、きっと一生忘れないでしょう。
完結編が出るまでじらされたことも(笑)

素敵なブログをありがとうごさいました。
Posted by mayawanwan at 2017年03月13日 01:33
>mayawanwanさま
はじめまして
本当にいいゲームですよね
思い出補正もあるかもしれませんが、今でも私の中では唯一無二のトップクラスの作品です
テオティワカンはわたしも行ってみたいですが、なかなか現実は難しいです
正直、羨ましいです

そうそう、このゲームはPCエンジンにも移植されていて、移植作としては「どうしてこうなった?」な少し残念な出来なのですが、BGMはCD-DAで収録されているので音楽プレイヤーなどで聞くことが出来ます
PCだと対応したプレイヤーを使用しないと聞けませんが、音楽目的で中古品を捜されてみてはいかがでしょうか?(わたしはamazonのマケプレで見つけました)
Posted by ひろせ@管理人 at 2017年03月13日 23:44
お返事、ありがとうございますにこにこ

本作を熱く語れて、本当に嬉しいです!

思いがけぬご縁でしたが、
素敵な記事を本当にありがとうございました。

たまに訪れては何度も読ませていただくと思います。

それではまた(^^)
Posted by mayawanwan at 2017年04月07日 18:19
>mayawanwanさま
こんにちは
拙い駄文ですが喜んでもらえて嬉しいです
なにか久しぶりにプレイしたくなりました
x68000は壊れてしまっているので、Towns版をプレイしようかな
それではまた
Posted by ひろせ@管理人 at 2017年04月07日 23:43
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