女王陛下のメイド探偵ジェインシリーズ「サンドリンガム館の死体」
C.C.ベニスン著/宮脇裕子訳
ハヤカワ文庫:ミステリアス・プレス文庫133
1999/02/28初版発行
面白いミステリー小説は何度読み直しても面白い
事件の真相やトリック、真犯人がわかっていても、というかそれらがわかっているからこそ二度目以降を読むと各所に巧妙に張られた伏線や真犯人やその他の登場人物たちとのとのやり取りの裏側に込められた意図などが読めたり推察できたりして一粒で二度三度と美味しいものです
このジェインシリーズもそんな優れたミステリーシリーズで、真相を知ってから読み直すと色々な裏が見えてきて非常に面白い作品です
今回の舞台は前作のおよそ一年後の女王陛下がクリスマス休暇を迎えるために向かったサンドリンガム館
その女王の別荘のある領内で女王陛下の扮装をした女性が殺害されているのが発見されます
そしてその死体発見現場にたまたま出くわしたのが我らが主人公であるメイドのジェインと、そしてこれまた偶然にその場に居合わせた女王陛下だったというわけです
こうやって文章にしてみるととんでもなくトンデモな設定ですね(苦笑)
最初はただの事故死か病死のように考えられていたこの事件が、警察の検死の結果頭部打撲による殺人事件だと判明し、さらには被害者に動物の権利を主張する(ために人間を殺傷することも厭わない)過激な動物愛護団体(という名のテロリスト)からの脅迫状が届いていたり、戦後に盗まれていた王室縁のとある公爵夫人のティアラが関わっていたり、さらには被害者本人や王室独特の複雑な人間関係も加わって調べれば調べるほど事件は混迷を極めていき、その最中、ジェインの目の前で新たな殺人事件が。。。
でもって、いざ謎が解けてみれば実は単純な事件(ただし、人間関係は複雑怪奇)というオチだったりするわけです
一度読み終わって真相と真犯人がわかった上でもう一度読み直すとジェインの空回りっぷりや、知らなかったとはいえ真犯人との際どい会話の数々や行動など「知らなかった」ときは普通に流して読んでいた場面が、真相を「知って」しまった後はハラハラドキドキする場面に変わってしまうというわけです
正に一粒で二度美味しいってやつです
それにしても、読み返すと本当に危険が隣り合わせって感じでハラハラさせられます
今作に関しては二周目が本番って感じです
あ、もちろん、このシリーズ恒例のラストでの関係者を全員集めての女王陛下自らによる女王裁きも顕在ですよ
とまぁ、本日はこんな感じです
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